美術館を求める市民の強い要望に応えて建設された市立美術館。設計者はコンペによって決定。いわき駅から徒歩12分の街中にある。
　郊外型の美術館と比べると敷地面積は広くはないが、館内に入ると天窓のある吹き抜け空間や屋外へと視線が広がるガラス面、また透明の塗装により周囲の光景が映りこむ石の床面などにより、拡がりのある空間となっている。
　この解放感あるホール空間を中心に展示室などの来館者が利用する部屋が配置された、機能的な構成である。天窓からの直射日光がつくる光の空間は、季節や時間とともに変化し、建物内部に自然のリズムを刻むアクセントになっている。
　外観では、北側の一直線のスカイラインが美しく、印象的な建築となっている。