福島県本庁舎は、3代目県庁舎として佐藤功一氏が鉄筋コンクリート造4階建として設計を行い、戦前の昭和13年に工事に着手したが、開戦により1階部分を建築したところで工事が中断し、木造を2階部分に載せて戦中戦後を凌ぐこととなった。その後、昭和27年に改めて2階から上階について山下壽郎設計事務所で設計し直し、鉄筋コンクリート造5階建庁舎として今に至る。
　平成28年には、建物の歴史的価値を考慮し、「永く生きる建築」として耐震性の確保と長寿命化改修が完了した。耐震補強は、建設当時の外観に影響しないように、日の字型の平面形状を活かし、2箇所の中庭に補強鉄骨フレームを構築し建物と一体化させる方法を採用した。
（所有者：福島県施設管理課）